PXBマウスとは
PXBマウスとは
PXBマウスとは、免疫不全肝障害マウス(uPA/SCID)にヒトの肝細胞を移植し、マウス肝臓の70%~90%以上が正常ヒト肝細胞に置き換えられたキメラマウスで、広島大学・吉里勝利名誉教授の研究グループによって開発されました。PXBマウスの肝臓は正常な組織構造を示し、ヒトアルブミンの産生、ヒト代謝酵素及びトランスポーターの発現および活性、ヒト型の胆汁酸組成などが確認されています。また、B型、C型肝炎ウイルスにも感染することが確認されており、ウイルス増殖メカニズムの解明や抗ウイルス薬の開発に利用されています。
PXBマウスの作製方法
ホストマウスへのヒト肝細胞移植
PXBマウスの作製では、生後2〜3週間のuPA/SCIDマウス(uPAトランスジェニックとSCIDの両方の形質を持つ、重度免疫不全肝障害マウス)に正常ヒト肝細胞を脾臓経由で移植します。
PXBマウスとして試験に利用できるのは、10-14週齢を超え、ヒト肝細胞への置換率が70%以上となったマウスです。
使用するヒト肝細胞
PXBマウスの作製に使う正常ヒト肝細胞は、インフォームドコンセントを得たドナーからいただいた凍結肝細胞を利用しています。
PXBマウスとホストマウスの肝組織像
PXBマウス肝組織のHE染色像
PXBマウス* の肝臓は、淡明な細胞質を持つヒト肝細胞により、ほとんどのマウス肝細胞が置換された状態です。
増殖したヒト肝細胞によって、肝小葉が正常に形成されています。
CV: central vein
PV: portal vein
* このPXBマウス肝臓のヒト肝細胞への置換率は70%です。
ホストマウス(uPA+/+/SCIDマウス)肝組織のHE染色像
ホストマウスの肝臓では、マウス肝細胞は好酸性の細胞質を持つため、HE染色で赤く染まっています。
また、uPAの発現により肝細胞が障害を受けて萎縮しており、肝細胞索が不明です。
CV: central vein
PV: portal vein
PXBマウス肝組織のCK8/18抗体染色像
PXBマウス* 肝臓の最も大きい葉(外側左葉)を輪切りにした切片をヒト肝細胞特異的な抗体(ヒト特異的サイトケラチン8/18抗体)で染色した。ヒト肝細胞で置換された領域は茶色、マウス肝細胞が残存している領域は青色に染まっています。
* このPXBマウス肝臓のヒト肝細胞への置換率は98.8%です。