Phoenix Bio

株主・投資家の皆様へ

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代表取締役社長 島田 卓

第24期の業績について

当社グループでは世界の大手製薬企業が研究開発拠点を置く米国を中心に、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられたヒト肝細胞キメラマウス(当社製品名:PXBマウス)を用いた受託試験サービスの提供及びPXBマウス関連製品の販売を行っております。
PXBマウスの需要は肝炎領域からバイオ医薬領域に移行しており、核酸医薬品や遺伝子治療等の開発で利用が増加しております。当連結会計年度においては主要顧客である海外製薬企業で開発プログラムの中止や人員整理が頻発する等、上期においては開発予算の都合で受注までは至らないケースが頻発しておりましたが、下期では研究開発活動に回復の傾向が見られ、引き合いが増加しております。受注高はこれまで単年でマウス販売契約をしていた顧客から新たに2年契約で受注獲得したこともあり前年同期を上回りましたが、売上高については、上期での受注不振が響き前年同期を下回りました。損益面につきましては、受託試験の外注案件が減少したこと等により売上原価は減少しておりますが、研究開発費は増加しており、売上高の減少に伴い営業赤字となりました。また、連結子会社であるKMT Hepatech,Inc.の解散及び清算決定に伴い、特別損失として事業整理損失引当金等を計上しております。
この結果、当連結会計年度の売上高1,541,388千円(前年同期比10.1%減)、営業損失142,079千円(前年同期は営業利益11,063千円)、経常損失155,182千円(前年同期は経常利益43,526千円)、親会社株主に帰属する当期純損失448,933千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益26,378千円)となりました。

第25期の見通しについて

今後の見通しにつきましては、依然としてインフレが進行するなかで製薬企業の研究開発費も高騰しており、製薬企業の収益低下から、研究開発計画の見直しや予算縮小など引き続き厳しい環境が続くものと見込んでおります。一方で、核酸医薬及び遺伝子治療薬など一部の特定領域や製薬企業においては研究開発活動が活発化しており、当該領域の受注環境は改善しつつあります。
このような環境下、米国の関税や為替市場動向などの懸念材料はあるものの、直近ではバイオ医薬品領域の受託試験の引き合いが増加していることから売上改善を見込んでおります。費用面では、当連結会計年度においても、消耗資材や人件費等の上昇を織り込んでおりますが、一方で、不採算生産拠点であった連結子会社KMT Hepatech,Inc.を会社清算することにより、製造原価を中心として費用削減を見込んでおります。
この結果、次期の連結業績予想につきましては、売上高1,759,381千円、営業利益167,167千円、経常利益168,563千円、親会社株主に帰属する当期純利益161,479千円を見込んでおります。
為替レートにつきましては、1米ドル143円を想定しております。
なお、米国の関税の影響につきましては、本計画策定時点では不透明な状況であり計画値には織り込んでおりません。