Phoenix Bio

株主・投資家の皆様へ

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代表取締役社長 島田 卓

第22期の業績について

当社グループでは世界の大手製薬企業が研究開発拠点を置く米国を中心に、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられたヒト肝細胞キメラマウス(当社製品名:PXBマウス)を用いた受託試験サービスの提供及びPXBマウス関連製品の販売を行っております。
当社グループの主要顧客である製薬企業や研究機関におけるPXBマウス需要は主に海外市場で勢いが増しており、薬効薬理分野、安全性等分野ともに多くの引き合いをいただいております。受注高は大型案件の一服や一部顧客で開発中止に伴うキャンセルの影響を受けましたが、売上高は海外市場で抗B型肝炎ウイルス薬の受託試験やマウス販売が大きく増加したことから、過去最高を達成しました。損益面につきましては、売上原価の人件費や水道光熱費等は増加しましたが、海外生産施設でのPXBマウス生産は成果を見せ始め、前期において計上することとなった減損損失による減価償却費の減少効果もあり、粗利益は大幅に増加しました。また、販売費及び一般管理費は人材の獲得競争が激化する米国の子会社では昇給や福利厚生の充実を図り、当社でも好調な業績に報いるため正社員、パート社員に賞与支給を実施したことで人件費が増加しましたが、6期ぶりの営業黒字を確保するとともに、こちらも過去最高益となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高2,124,051千円(前年同期比60.3%増)、営業利益508,448千円(前年同期は営業損失167,619千円)、経常利益511,299千円(前年同期は経常損失127,965千円)、親会社株主に帰属する当期純利益493,329千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失387,970千円)となりました。

第23期の見通しについて

第23期の見通しにつきましては、抗体医薬、細胞治療医薬及び核酸医薬など新しいモダリティ(治療薬の形態)が新薬開発の主流となりつつあるなかで、評価ツールとしてヒト化動物の有用性が市場からの認知が高まっており、現在、多くの引き合いをいただいております。
このような環境下、当連結会計年度において活発であった抗B型肝炎ウイルス薬開発の受託試験サービスは、主要な大型案件を消化したことから落ち着くものと見込んでおりますが、製品販売では、核酸医薬品開発において当社製品への需要が高まっており増加するものと見込んでおります。一方、費用面では、消耗資材、光熱費及び人件費等が高騰しており、特に主要な営業拠点である米国子会社において人員確保と併せて人員拡充のため人件費等の費用の増加を計画しております。この結果、次期の連結業績予想につきましては、売上高2,038,521千円、営業利益248,506千円、経常利益250,957千円、親会社株主に帰属する当期純利益235,924千円を見込んでおります。